当記事では、電気コードの断線を修理した体験談を紹介します。
毛玉クリーナーが使用中に突然止まるようになりました。
電源アダプタのコードをよく見ると、被覆の一部が破れて電線がむき出しになっていました。
電源アダプタだけを買おうと思いましたが、税込み2,200円もすることがわかりました。
毛玉クリーナー本体の7割の価格です。
もったいないので試しに修理してみたところ、簡単に直すことができました。
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1. 電気コードの断線とは?
電気コードの断線とは、コードの中の電線が切れてしまうことです。
断線すると、電気製品が止まったり、正常に動かなくなったりします。
2. 断線の原因
電気コードが断線する主な原因は3つあります。
2-1. 使用頻度と摩擦
電気コードは頻繁に曲げたり引っ張ったりすることで、内部の電線が切れやすくなります。
ドライヤー、掃除機、アイロンなど使用頻度が高い家電は注意が必要です。
2-2. 接続部の劣化
イヤホンやヘッドホン、充電器などのUSBケーブルは接続部が劣化すると、断線しやすくなります。
2-3. 外部のダメージ
家具や家電などの重いものでコードを挟むと、電気コードが切れてしまいます。
こたつ、ヒーター、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫など注意が必要です。
また、動物が噛んだりかじったりして断線してしまうケースもあります。
コードを適切に保護することで、外部のダメージを防ぎましょう。
3. 断線の修理方法
電気コードの断線を修理する方法を、応急と本格に分けて紹介します。
- 応急修理
- 絶縁テープを使った修理
- 熱収縮チューブを使った修理
- 本格修理
- ハンダ付けと熱収縮チューブを併用した修理
- 圧着端子を使用した修理
それぞれ詳しく説明します。
3-1-1. 応急:絶縁テープを使った修理
電気コードが断線しかかっている場合、絶縁テープを使って応急処置を行います。
修理方法は下記のとおりです。
用意するもの
- 絶縁テープ
- ニッパー
修理手順
1. 電源を切る
感電の危険を避けるため、断線した電気コードの接続先から電源を切ります。
2. 断線部を確認する
コードをよく観察して、断線しかかっている部分を特定します。
3. 絶縁テープを巻く
断線しかかっている部分に絶縁テープを巻きます。
テープはしっかりと密着させます。
4. テストする
電気コードを接続して、電源を入れて動作を確認します。
問題なければ応急修理は完了です。
3-1-2. 応急:熱収縮チューブを使った修理
絶縁テープよりも熱収縮チューブを使った方が丈夫に修理できます。
修理方法は下記のとおりです。
用意するもの
- 熱収縮チューブ
- ニッパー
- ヒートガンまたはドライヤー
修理手順
1. 電源を切る
感電の危険を避けるため、断線した電気コードの接続先から電源を切ります。
2. 断線部を確認する
電気コードをよく観察して、断線しかかっている部分を特定します。
3. 熱収縮チューブを選ぶ
熱収縮チューブは被せる対象のサイズで選びます。
チューブの内径を確認し、収縮前と収縮後のサイズに対応するものを使います。
4. 熱収縮チューブをかぶせる
断線しかかっている部分に熱収縮チューブをかぶせます。
チューブの長さは十分にとり、断線箇所をしっかりと覆うようにします。
5. ヒートガンやドライヤーで収縮させる
ヒートガンまたはドライヤーで熱風を当てて、熱収縮チューブを収縮させます。
収縮が完了したら、冷ましてください。
チューブが密着することで、電気コードを保護します。
6. テストする
電気コードを接続して、電源を入れて動作を確認します。
問題なければ応急修理は完了です。
3-2-1. 本格:ハンダ付けと熱収縮チューブを併用した修理
ハンダ付けと熱収縮チューブを併用することで、電気コードの断線を確実に修理できます。
修理方法は下記のとおりです。
用意するもの
- 熱収縮チューブ
- ニッパー
- ヒートガンまたはドライヤー
- ハンダゴテ
- ハンダ
修理手順
1. 電線を露出させる
断線した電気コードの両端の被覆を剥き、電線を露出させます。
2. 電線をねじる
より線は1本1本が細かいため、軽くねじってまとめます。
3. 熱収縮チューブを通す
両端を接続する前に、あらかじめ熱収縮チューブを通しておきます。
4. 両端を接続する
電線の両端を接続します。
電線の長さに余裕がある場合、両端それぞれをU字型に曲げて、2本をつなげます。
さらに、ねじったり、ペンチで押さえたりすると有効です。
5. ハンダ付けする
電線の接続箇所にハンダゴテでハンダを流し込み、両端を接続します。
6. 接続部を熱収縮チューブで絶縁する
ハンダが冷え固まったら、その部分に熱収縮チューブをかぶせ、ヒートガンやドライヤーで熱風を当ててチューブを収縮させます。
7. テストする
電気コードを接続して、電源を入れて動作を確認します。
問題なければ修理完了です。
3-2-2. 本格:圧着端子を使用した修理
圧着端子を使うことで、電気コードの断線を確実に修理することができます。
修理方法は下記のとおりです。
用意するもの
- ニッパー
- 圧着工具
- 圧着端子
修理手順
1. 電線サイズに合った端子サイズを選ぶ
端子の電線抱合範囲に合う端子サイズを選びます。
2. 圧着工具を選ぶ
端子の種類によって圧着工具が異なります。
適正工具を使用します。
3. 電線を露出させる
断線した電気コードの両端の被覆を剥き、電線を露出させます。
4. 電線をねじる
より線は1本1本が細かいため、軽くねじってまとめます。
5. 付属のスリープを通す
両端を接続する前に、あらかじめ付属のスリープを通しておきます。
6. 圧着する
圧着端子を電線に差し込み、圧着工具で端子を圧着します。
4. 電源/電気コードの断線修理体験談
電気コードの断線を修理した体験談を紹介します。
事例は2つです
体験事例 | 断線内容 | 修理内容 | その後 |
---|---|---|---|
4-1 | コードプロテクター根本が断線 | ハンダ付けと熱収縮チューブで修理 | 3ヵ月後に断線(商品の設計上の問題) |
4-2 | コードプロテクター根本が断線 | ハンダ付けと熱収縮チューブで修理して、ボンドで補強 | 異常なし |
4-1. ハンダ付け、熱収縮チューブで修理してみた
電動毛玉クリーナーの電気コードが断線しました。
修理方法は「ハンダ付けと熱収縮チューブを併用した本格修理」です。
用意したもの
- 熱収縮チューブ
- ニッパー
- ドライヤー
- ハンダゴテ
- ハンダ
実践内容
実践内容を詳しく紹介します。
こちらが電気コードの断線箇所です。
やっかいなことに、コードプロテクターの根本でした。
絶縁テープで固定していましたが、使用中によく止まっていました。
本格修理のため、絶縁テープをはがします。
電線が一部露出しています。
断線しかかっている箇所をニッパーで切断します。
コードプロテクターをニッパーで取り除きます。
ダブルコードの間にニッパーを入れて、2本に分けます。
2本の間が狭いため、被覆にカッターで切り込みを入れて、ペンチで引き抜きました。
次に、より線を軽くねじってまとめます。
もう一方のコード側も、ダブルコードの間を分けます。
被覆をニッパーで剥がします。
劣化していた先端部分を切断し、より線を軽くねじってまとめます。
次に、熱収縮チューブを通します。
コードプロテクターの補強用に、内径の大きいチューブも通しました。
コードと接続端子それぞれのプラスとマイナスを確認して、ハンダ付けします。
ハンダが冷えて固まったら、熱収縮チューブをかぶせて、ヒートガンやドライヤーで熱を当ててチューブを収縮させます。
管理人はドライヤーを使いました。
【失敗1】
このとき、もう一方のコードにもチューブを付けていて収縮してしまいました。
(運良く、引き抜くことができました)
右側が引き抜いたチューブ、左側が新たに用意したチューブです。
標準的な収縮率は50%(2:1)なので、しっかりと収縮していることがわかります。
新たに用意したチューブを通します。
ハンダ付けします。
ハンダゴテの熱でチューブの一部が収縮してしまいましたが、このあと無事にチューブをずらすことができました。
熱収縮チューブをかぶせて、ドライヤーで熱風を当ててチューブを収縮させます。
ここでテストします。
毛玉クリーナーに接続し、動作を確認したところ、安定して動きました。
コードプロテクターと修理箇所を補強するためにあらかじめ通しておいたチューブをかぶせます。
ドライヤーで熱風を当てて、チューブを収縮させます。
【失敗2】
チューブと電気コードの間に隙間ができてしまいました。
隙間を埋める用として、内径がひとまわり小さい熱収縮チューブをもう1つ通しておくべきでした。
絶縁テープを巻いて、隙間をなくしました。
4-2. ハンダ付け、熱収縮チューブ、ボンドで修理してみた
電動毛玉クリーナーの電気コードを修理しましたが、また断線してしまいました。
原因は商品の設計にあると見ています。
毛玉を取るために本体を動かしますが、電気コードがとても細いため、コードプロテクターの根本が張力に耐えられずに断線してしまいます。
そこで、再修理した上で、ボンドで補強することにしました。
用意したもの
- 熱収縮チューブ
- ニッパー
- ドライヤー
- ハンダゴテ
- ハンダ
- ボンド
実践内容
実践内容を詳しく紹介します。
こちらが、コードプロテクターの根本の断線箇所です。
前回の修理でかぶせた熱収縮チューブを切ります。
プラスコードがプロテクターの根本から完全に断線していました。
コードプロテクターをニッパーで取り除き、被覆をペンチで引き抜きます。
より線を軽くねじってまとめます。
もう一方のコード側も、被覆をニッパーで剥がして、より線を軽くねじってまとめます。
熱収縮チューブを用意します。
下の2本が絶縁用、上の2本が補強用です。
前回(4-1)の反省から、補強用は内径が異なる2種類を用意しました。
ハンダ付けをする前に、あらかじめ熱収縮チューブを通します。
(ハンダ付けしてしまうと、チューブを通せなくなるためです)
前回(4-1)の反省から、絶縁用の熱収縮チューブは片方のコードのみ通します。
(片方ずつ、ハンダ付けとチューブ取り付けをすることでショートを防ぎます)
コードと接続端子それぞれのプラスとマイナスを確認して、ハンダ付けします。
ハンダが冷えて固まったら、熱収縮チューブをかぶせます。
ドライヤーで熱風を当てて、チューブを収縮させます。
熱収縮チューブを通してから、ハンダ付けします。
チューブはハンダゴテの熱で収縮しないよう、ハンダ付け箇所から十分に離します。
熱収縮チューブをかぶせて、ドライヤーで熱風を当ててチューブを収縮させます。
ここでテストします。
毛玉クリーナーに接続し、安定して動くことを確認しました。
商品の設計上、コードプロテクターの根本が弱いことから、ボンドで補強します。
乾燥して固まるまで待ちます。
丸1日経ちました。
外側は固まって透明になりましたが、内側がまだ白いです。
管理人は普通のボンドを使いましたが、速乾ボンドであればより早く乾きます。
さらに丸1日(計2日間)経ち、完全に固まりました。
最終テストします。
毛玉クリーナーに接続し、安定して動くことを確認しました。
あらかじめ通しておいたチューブをコードプロテクターにかぶせます。
ドライヤーで熱風を当てて、チューブを収縮させます。
もう1つのあらかじめ通しておいた、内径がひとまわり小さいチューブをかぶせます。
ドライヤーで熱風を当てて、チューブを収縮させます。
前回よりも、チューブと電気コードの隙間は小さくなりました。
5. まとめ:電気コードの断線は自分で簡単に修理できる
当記事では、電気コードが断線する原因と修理方法、そして修理の体験談を紹介しました。
まとめると下記のようになります。
- 電気コードの断線についての説明
- 断線の原因
- 断線の修理方法
- 応急修理
- 絶縁テープを使った修理
- 熱収縮チューブを使った修理
- 本格修理
- ハンダ付けと熱収縮チューブを併用した修理
- 圧着端子を使用した修理
- 応急修理
- 電源/電気コードの断線修理体験談
- ハンダ付け、熱収縮チューブで修理してみた
- ハンダ付け、熱収縮チューブ、ボンドで修理してみた
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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